こんな症状で困ったら‥

 

 

便の形がいつもと違う‥

 ヒトによって便の形は大体一定しているものですが、「最近ウンチが細いなぁ‥。」、「なんかウサギの糞みたいな小さいコロコロ便になってきたなぁ。」、「下痢と便秘を繰り返すなぁ。」‥‥。

 年齢とともに便秘の割合は増えてきますし、便の形も変わっていきます。食べる量も減ってきますね。

 でも、気になりますよね。気になって当院を受診される方は結構多いです。

 便の形の変化は、病的なものとそうでないものに分けられます。多くは病的なものではありません。病的でなくても、コロコロの便はすぐそこまでウンチが来ているのに出し切れない、排便しても出し切れずに残った感じが続くといった不愉快な症状があります。下痢便を繰り返していると、裂肛(=切れ痔)の原因になったり、痔瘻の背景になります。

 病的なものとしては大腸がんがあります。教科書には”下痢と便秘を繰り返す”という症状は、右側大腸がん(盲腸がん、上行結腸がん、横行結腸がん)の症状の一つとして記載されています。50歳以上の方は一度大腸内視鏡をしてもよいと思います。

 便意を催すと強い腹痛が見られ、排便すると腹痛が楽になる、こういった症状が何か月も続いている‥‥、過敏性腸症候群の可能性があります。便秘タイプ、下痢タイプ、その両方が見られるタイプがあります。タイプによって使用する薬剤が違います。漢方薬の桂枝加芍薬湯がよく効いてくれることもあります。

 まずは便の性状に応じて、緩下剤(便を柔らかくする薬)、便をゲル状に固める薬、漢方薬などを服用していただき、その反応をみながら、また、年齢も考慮しながら、必要なら大腸内視鏡も行うというスタンスで診療しています。

 コロコロ便によく処方する、麻子仁丸は驚くほど効いてくれることが多くて、重宝しています。

 まずは診察にお越しいただき、相談しながらお薬を選んでいきましょう。